海の向こうから
原画 野見山暁治
サイズ W7.5 H2.5(m)
場所 JR博多駅(新幹線3階連絡改札内)
完成 2011年3月

ここは目の前いっぱいに海が拡がっています。わたしは子供の頃から、ここで泳いでいました。右の方へ砂浜が長く延びて、その先に志賀島、左のすぐ目の前に能古島。それらを大きく抱いている博多湾。
祖父に連れられて、よく大宰府、都府楼のあたりを歩き、中国大陸から伝わってきた文明の、目の前に映る終着の風景を眺めたものです。
その遥かな経路、目に見えない遠いところから風が渡ってきて、この青い海が泡立つ。わたしにとって故郷を描くというのは、先祖から伝わってきたこうした時の流れの形です。
いやしかし、なにも作者の思いで眺めることはない。往々にして作者は能書き述べたがる。これは自然を真似て作った透明なガラスの空間、どうかゆっくりと通ってください。

野見山曉治1920年 福岡県嘉穂郡穂波町生まれ。1952年に渡欧。パリでの作家活動中、ギメ美術館で中国・宗時代の水墨画に魅せられたことを転機として64年帰国。風景を主題としつつ人間を表現、本能的な衝動と理性的な明晰さが混在する“心象風景”を描くようになる。いくつかの大学で非常勤講師を務め、東京藝術大学教授に就任。
若い美術家たちに共感を覚え、何ものにも束縛されない自由な境地で、毎日描くことにより、絵とは何かを問いかけ続けている。
文化功労者、東京藝術大学名誉教授(2010年現在)

1943 東京美術学校(現・東京藝術大学)卒業、応召
1952 渡仏(—1964)
1958 第2回「安井賞」受賞
1972 東京藝術大学教授に就任
1978 「四百文字のデッサン」で第26回「日本エッセイスト・クラブ賞」受賞
1992 第42回「芸術選奨」文部大臣賞受賞
1996 「毎日芸術賞」受賞
2000 文化功労者顕彰
2003 東京国立近代美術館にて「野見山暁治展」開催
2008 東京メトロ副都心線・明治神宮前駅にステンドグラス(本作品)制作
2011 ブリヂストン美術館、石橋美術館(久留米市)にて「野見山暁治展」開催


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